歌うように息をして、息をするように歌う。
最初に曲を作ったのは28年前。
自転車に乗ってハミングで。
メロディーができると自宅の留守番電話に録音しながら。
「月夜の青空」という曲。
当時福岡市に住んでいた私は、週末になると親不孝通りを中心に
集まっては歌っていたストリートミュージシャンのもとに
通い詰めていた。アカペラで歌うこともあった。
そんな満月の夜、空を見上げれば月の眩い光に雲もあたりも照らされて
まるで青空みたいと思って、そのイメージからできた歌。
その時にストリートで歌っていたTam君はこの曲を気に入ってくれて
自身のライブでこの歌を歌ってくれていた。
自分の歌が誰かに歌われるって嬉しいもんだ。
それからは音楽活動はしなかった。
40才を過ぎてラジオから流れてくる高橋優の「素晴らしき日常」に
電流が走った。ライブに通い詰めた。
そしてアコースティックギターを手にしようと思う決定打をくれたのは
福岡出身の戸渡陽太だ。
ラジオから流れるインパクトのある歌声と楽曲。「マネキン」。
ラジオ局で行われるイベントやライブに通い、すっかり魅了された。
アコースティックギターの良し悪しもわからぬまま中古のギターを
落札した。なかなか上達しないので途中投げ出したりもした。
オリジナル曲を数曲作った。公園で弾き語りをしたりもした。
九州から関西に移住したときはギターもおいて来た。
でも親しくなった人がギター弾きだったので再燃して、また中古の
アコースティックギターを購入した。
気付けばまたオリジナルソングを作っていた。
ノートにきちんと整理されているものは今では40曲におよぶ。
まだまだ生きている限り歌は生まれるのだろう。